☆てらっちツーリングレポート☆
「瀬戸内一周・さびしんぼうが世界の中心で、愛を叫ぶぞなもしツーリング」
(なげーよタイトルが・・・)
〜中編
【2日目 5/1 岡山〜尾道〜松山】の続き
 松山市は道が広く走りやすかった。基本的に田舎なのだが適度に都会だ。過密な京都や大阪を走っていると、こういう街を羨ましく思う。不便もあるだろうが、住むならこういう街が良い。

 道後温泉は県庁からそう遠くない。市内には路面電車が走っていて良い雰囲気だ。京都にも路面電車は走っているが、一部路面って感じで物足りない。途中路面電車と並走してみる。なんだかエサをねだる為に漁船と平行して飛ぶウミネコになった気分だ。アクセルを一捻りして、お先に道後温泉へと向かう。

そしてついに・・・!!
 道後温泉に到着!!予想通りの賑やかさだ。果たして入れるのだろうか?普通のスーパー銭湯なら余裕で入場制限のかかる混雑ぶりだ。本館の前は頻繁に車が通り、その隙をうかがって道の反対側からベストショットを狙う観光客で溢れている。僕はおばちゃんが入ろうがお構いなしに写真を撮る。そう、写真を撮りに来たのではない。温泉に入りに来たのだから。

 この混雑ぶりにもかかわらず、入場することができた。料金は300円と安い。といってもこれは最低料金で、本館の個室や別の浴室などを利用するにはもう少しお金がいる。

 中は外観同様、非常に趣のある造りになっていた。城などの様に「外観だけで中身は鉄筋コンクリート」みたいではないだろうかと心配したのだが、杞憂だった様だ。 

 建物の見物もソコソコに、湯につかる。最高だ。やはり1日走り通した後の温泉は最高に気持ちがいい。雨の中を走ったことも気持ちよさを倍増させた。こんな気分は列車や観光バスでは絶対味わえない。つくづくバイク乗りで良かったと思う。


 入浴した後、改めて本館の造りを味わう。さすがの重量感である。「千と千尋の神隠し」の湯殿のモデルになったらしい。納得である。2階や3階は別料金で、個室の休憩室や「坊ちゃんの部屋」などがあり常時満室だ。 この2階のテラスから、必死で写メを撮っている観光客を浴衣姿でうちわなんか扇ぎながら見下ろせば、さぞ良い気分だろう。

 最初は「どうせ小説の坊ちゃんで有名なだけだろー」と思っていたがとんでもない。周りにはグランドホテル並の温泉旅館が立ち並び、古くは聖徳太子も入ったという。「坊ちゃん」なんかなくても十分立派な温泉だ。自分の思い込みとのギャップにヤラれ、僕は松山と道後温泉を見直した。




 別の角度から。明治時代はこちらが入り口だったらしい。テッペンに見えるのは鐘楼で、昔は定時に鐘を鳴らしていたとか。

 ちなみにタイトルの「さびしんぼうが世界の中心で、愛を叫ぶぞなもし」の「ぞなもし」は小説「坊ちゃん」にでてくる松山の方言である。元ネタをわかって頂けただろうか。







 入浴後、例のごとくビジネスホテルに滑り込む。本館から歩いて行ける距離だ。ホテルの前には同じ様なツーリング中のバイクが並んでいる。荷物を部屋に放り込み、みやげ物街を散策。そしてビールだ。この一杯の為に、入浴後何も飲まずに我慢していたのだ。特に気取った風のない店に入り生ビールを飲む。旨い。五臓六腑に染み渡るとはこのことか。ビールの炭酸が食道、胃と弾けながら降りていくのが分かる。
 旨い!と感じると同時に寂しさが沸き起こってきた。酒を飲みながら「今日の道はあーだった、あそこはどーだった」と語り合える相手が欲しいと思った。ソロツーリングの弱点の一つである。

 ホテルの近くには風俗街やストリップ劇場があり、ここでも古くからの温泉街であることが感じられる。勿論そんな高級なお風呂には入っていない。いや、ホントですって・・・。
 ほろ酔い気分でホテルに戻り、明日の予定を考えながらまどろむ。明日はうどん食ってセカチュー行って・・・。ぐぅ〜zzz。

【3日目 5/2 松山〜高松〜京都】
 朝5時30分に起床。朝ごはんを買いに風俗街を横目に見ながらファミリーマートまで歩く。駐車場でサンドイッチを食べていると、同じホテルに泊まっていたヒトがバイクを押してやってきた。コミュニケーションに飢えていた僕は、朝ごはんを食べながら暖機運転をしている彼に話しかけた。普段は他人と話すなんて滅多にないのだが、同じ旅をしている人間とは気軽に話せてしまう。景勝地の風景は変わらないが、人との出会いは一期一会だ。やっぱりソロツーリングは出会いが多くて好きだ。

 部屋に戻り、僕も旅支度を始める。天気予報では今日は晴れるらしい。だが朝は曇っていて肌寒い。パーカーを着ようとタンクバックを開ける。

 ・・・無い。

 無い無い無い!!ドコをどう探してもパーカーが無いのだ。荷物といってもタンクバックとヒップバックだけである。探すといってもすぐ終わってしまうが、やはり探す。浅いタンクバックの底を何回ひっくり返してもパーカーはでてこない(当たり前じゃ)。昨日までは暖かかったからタンクバックの中だ。温泉入る時にカッパとか畳んで脱衣所で荷物整理して・・・

  あ゛っ

                                                           後編へ



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